終活?老活? 50代で直面したリアル
2018年秋 私は74歳の叔父を見送りました。
叔父はガンを患っていましたが、ステージは2で転移もなく、抗がん剤治療をしていましたが他は元気で、突然亡くなるとは、本人も家族も思っていませんでした。
子どものいない叔父夫婦は、私ともう一人の姪を、小さい頃からかわいがってくれており、叔父は私ともう一人の姪に後を託して亡くなりました。
残された叔母と私ともう一人の姪はそれから2年間、様々な問題に直面することになります。
叔父が亡くなった時、叔母は69歳でした。
1年後、叔母は築50年の都内の1軒家を処分し、賃貸のマンションで一人暮らしを始めます。
しかし引越しのわずか1か月後、叔母にもガンが発覚。
医師の診断はステージ4の転移ありでした・・・
治療法は、予後は?
また私は私で、義母が認知症と診断され、夫とともに手続きや家族信託について検討します。
そんな私の忙しさを知りながら「ごめんねー、ひとりじゃだめらしいのよ」と一人暮らしの実母から実家リフォーム工事の相談が・・・。
子育ての終わった50代ってこんなに忙しいの!?というくらい西へ東へと走り回りまわった2年間でした。
そしてもう一人の姪も弟家族の問題や叔母と実父の間で悩みます。
・葬儀とは?
・遺言とは?
・法律上の親族とは?
・高齢者が家を借りるということは?
・介護施設に入居するには?
・認知症になったら?
・後見人とは?
・家族信託とは?
・保険とは?
などなど・・・。
知りえた知識は55歳の私にとってこれから迎える老後のことを考えるきっかけにもなりました。
叔母の老活、自身の老活、それぞれの老活
「終活」という言葉はずいぶん浸透しましたが、私の頭の中にひらめいたのは「老活」という言葉です。
終活というと「自分の死後」に対しての活動のイメージが強いですが、その前の段階にある「老活」。
終活よりも、より身近で、対処すべき問題な気がします。
老後2,000万円問題に端を発し、年金や貯蓄などについてはずいぶん記事があります。
また「老活」という言葉で検索すると「健康寿命を延ばすための食事や運動、心がけ」などの記事や本に出合います。
2年間の出来事を通じて、お金、健康などなど、どれか一つだけ満たしていても「老活」には不十分な気がしました。
叔母は叔母なりに、自分の老後を考えていますし、
私ともう一人の姪も叔母にとっていいと思える暮らし方を提案しています。
私の義父は、義父なりに認知症の妻のことを考えています。
私の母は、母なりに自分でできることを模索しています。
このブログでは、主に、
55歳の私の立場から体験した出来事と、それぞれの思い、知りえた知識などをつづっていきたいと思います。
登場人物
※登場人物は若干のフィクションを含みます(名前など)
縁(えにし)のスタッフ。
神奈川県在住 夫、長女、次女の4人家族。
長女は都内で一人暮らしをしている。
私の母の弟。東京都在住。
サラリーマンを引退後、居酒屋を経営するも、都道の拡張工事のため立ち退きと同時に閉店。
その後は普段は読書と料理をして暮らしていた。
趣味はヨット。
東京都在住。叔父のお嫁さん。私にとっては義理の叔母(血のつながりはない)
子どものころから私をかわいがってくれた。私の夫が結婚の挨拶に私の実家に来た時にはゆりちゃんに付き添ってもらったというエピソードがあるくらい親しくしている。
サラリーマンだったが叔父の居酒屋開店と同時に会社を辞め女将を務める。閉店後は民生委員やNPO法人の理事など歴任。地域の顔役。趣味は叔父と同じくヨット。
東京都在住。ゆりちゃんの実の弟の娘。
ゆりちゃんとは血のつながりのある姪。
夫と二人暮らし。子どもはいない。
生命保険会社の広報系の部署で働いている。
私の夫。
製薬関係の会社に勤務。
静岡市在住。私の夫の父と母。
お義母さんは叔父の亡くなる8か月前に認知症と診断された。診断時 要介護1。物語開始時、要介護2。
早すぎる進行具合に家族は慌てます。
長男は私の夫。静岡市内に長女(47歳)と次男(49歳)が暮らしている。
宇都宮市在住。私の実母。叔父の実姉。
夫亡き後、一人暮らし。
古い実家のお風呂をリフォームしようと試み、私を巻き込む。
叔父のヨット仲間。行政書士の資格を持ち、法律系の職場で働いている。